マラウイの時間割①ー隣国ザンビア・タンザニアとの比較

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これまでマラウイの教育事情に関していくつかの記事を書いてきました。

参考記事

 任地紹介-マラウイの学校事情と赴任校の様子

 学校勤務開始から1ヶ月 見えてきた8つの課題

上の記事でも述べたことなのですが、

日本人の私からするとマラウイの学校の時間割は生徒に容赦がありません。

特に私の学校の午前中のスケジュールでは、始業から200分間授業が連続して行われます。

時間 内容
7:30-8:10 1時間目
8:10-8:50 2時間目
8:50-9:30 3時間目
9:30-10:10 4時間目
10:10-10:50 5時間目
10:50-11:20 休憩
11:20-12:00 6時間目
12:00-12:40 7時間目
12:40-13:20 8時間目
13:20-14:00 9時間目

(赴任校の時間割 午前中は200分授業が続く)

私が生徒であるなら

「授業と授業の間の休み時間や昼休みが欲しい!」と思ってしまいます。

しかしこれでは主観的な意見でしかないため、

授業のタイムテーブルについてちょっとした調査を行ってみました。

➀他のマラウイの中高等学校の時間割はどうなっているのか

②近隣国と比較するとどうなっているのか

③日本の時間割を赴任校の生徒・同僚教員にみせるとどのような反応をするのか

これら3点に関して調べてみたので、本記事にてまとめてみたいと思います。

➀他のマラウイ国内の中高等学校との比較

2016年4月現在、マラウイの中高等学校に勤務する理数科教員の協力隊員が6名います。

今回は同じく理科を担当する2人に協力を仰ぎ、

赴任校の時間割について教えていただきました。

すると以下のような、類似したタイムテーブルで授業が行われていることが分かりました。

時間 内容
7:20-8:00 1時間目
8:00-8:40 2時間目
8:40-9:20 3時間目
9:20-9:35 休憩
9:35-10:15 4時間目
10:15-10:55 5時間目
10:55-11:35 6時間目
11:35-11:50 休憩
11:50-12:30 7時間目
12:30-13:10 8時間目
13:10-13:50 9時間目

(マラウイ国内の別の学校  休憩時間が2回に分けられ、120分ごとに休むことができる)

マラウイの中高等学校は日本の高校と同じように、

学校独自のスケジュールを組むことが許されているので、

自分の赴任校と違った時間帯で授業が行われていることもあり得ます。

いただいた情報から、マラウイの中高等学校では…

  ・1コマ40分間の授業が行われている

  ・授業間の休み時間は無い

  ・休憩は1日に1回か2回しかない(計30分)

  ・生徒が昼食を取る時間(給食の時間)は十分には用意されていない

  ・土曜日と日曜日は休み

といったことがわかりました。

②近隣国ザンビア・タンザニアとの比較

次に隣の2国の理数科隊員に協力を仰ぎ、

ザンビア、タンザニアから時間割表を送っていただきました。

それらのタイムテーブルがこちらです。

時間 内容
7:20-8:00 1時間目
8:00-8:40 2時間目
8:40-9:20 3時間目
9:20-10:00 4時間目
10:00-10:20 休憩
10:20-11:00 5時間目
11:00-11:40 6時間目
11:40-12:20 7時間目
12:20-13:00 8時間目
13:00-14:00 昼休み
14:00-14:40 9時間目
14:40-15:20 10時間目
15:20-16:00 11時間目

(ザンビアの時間割  昼休みがあり、かつ11時間目まであるため学校滞在時間が最も長い)

時間 内容
8:00-8:40 1時間目
8:40-9:20 2時間目
9:20-10:00 3時間目
10:00-10:40 4時間目
10:40-11:20 5時間目
11:20-11:40 休憩
11:40-12:20 6時間目
12:20-13:00 7時間目
13:00-13:40 8時間目
13:40-14:20 9時間目

(タンザニアの時間割  1日の休憩時間が最も短い)

これらの時間割から、ザンビア・タンザニアの学校では…

  ・マラウイと同様に1コマ40分間の授業が行われている

  ・マラウイと同様に授業間の休み時間は存在しない

  ・マラウイと同様に土曜日と日曜日が休み

  ・昼休みがある学校もある(ザンビア)

といったことがわかりました。

近隣の2国ということもあり、マラウイと比較して共通点も多く見られました。

③日本の時間割を赴任校の生徒・同僚教員に見せた時の反応・コメント

最後に私たちの日本の時間割を見て、

マラウイの人たちがどのような反応をするのかについて知るため、

生徒・教員に実際の時間割を見せてみることにしました。

時間割には私の通っていた公立高校のタイムテーブルを思い出し、

紙に書きだし見せてみました。

時間 内容
8:00-8:30(終了後5分休憩) 朝の補習
8:35-8:45(終了後5分休憩) 朝のホームルーム
8:50-9:40(終了後10分休憩) 1時間目
9:50-10:40(終了後10分休憩) 2時間目
10:50-11:40(終了後10分休憩) 3時間目
11:50-12:40(終了後10分休憩) 4時間目
12:40-13:30 昼休み
13:30-14:20(終了後10分休憩) 5時間目
14:30-15:20 6時間目
15:20-15:30 帰りのホームルーム
15:30-15:40 掃除

(高校時代の時間割  1コマ50分×6コマが基本でした)

その際のコメントはこのようなものとなりました。

<生徒>

  ・朝の始まりが遅いのが羨ましい(遠くから学校に通う生徒もいるため)

  ・休憩時間たくさんがあって準備できるのがいい

  ・ホームルームという時間を初めて知った

 (マラウイの学校は基本的に授業に始まり授業に終わる)

  ・生徒自身で掃除するのはすごい

 (マラウイの生徒は自分たちでは学校を掃除したりはしない)

  ・日本は生徒が学校から帰るのが遅くて嫌だ

<先生>

  ・マラウイよりも日本の学校の方が、勉強時間が短いのは驚きだ

 (先進国の方が多く勉強しているイメージがあるように思われる)

  ・休憩時間の間に準備できる方が効率はよさそうだ

  ・マラウイでも休憩は与えたいが、習う量の多さを考えるとタイトな時間割も仕方ない

  ・掃除の時間があったとしてもマラウイの生徒は真面目にやらないだろう

  ・朝のホームルーム時に出席確認するのはクラスのマネジメントの面でいいアイデアだ

結論

サンプル数が多くないため断定はできませんが、

今回のミニ調査によって少しはマラウイの時間割を取り巻く状況が分かってきた気がします。

➀他のマラウイ国内の中高等学校との比較

②近隣国ザンビア・タンザニアとの比較では

自分の赴任校の時間割を、マラウイ国内外のものと比較しました。

その比較により、自分の赴任校だけでなくマラウイ国内、

もしくはザンビアやタンザニアを含む東南アフリカ諸国では、

授業間の休み時間というものが確認できず、

その概念があまり普及していないという可能性が示されました。

つまりマラウイの人々からすればこのようなスケジュールが当たり前のものであり、

かつ周りの国も同じことをしているため、不便にも思わないのかもしれません。

しかしながら

③日本の時間割を赴任校の生徒・同僚の教員に見せた時の反応・コメントの調査では、

どちらかというと「日本のように休み時間がもっとあった方が勉強しやすいだろう」という

意見・見解を持つようにもなるということがわかりました。

また一方では、教師としては膨大なシラバスを終わらせるためにも、

今のマラウイのタイムテーブルを変えるわけにはいかないだろう、という声もありました。

人材育成に手を抜く国というものはあまり存在しないと思いますが、

マラウイは他のアフリカの低所得国と比べても特に

教育面に力を入れなくてはならない国であると思っています。

鉱物資源も観光資源も乏しいマラウイにあるのは人だけです。

(とても失礼な言い方かもしれませんが…)

例えばケニアなら有名なマサイマラサファリがあり、観光客が毎年多く訪れます。

ザンビアのカッパーベルトでは銅が多く産出されます。

しかし資源という意味では、マラウイには人的な資源しかありません。

(人口密度はアフリカ諸国でもトップクラス)

この点では日本やシンガポールとも似ているのかもしれません。

人材の強化が国の繁栄により大きな影響を与えていると思います。

その観点からすればマラウイの教育が

生徒への負荷が大きくなる詰め込み型になってしまうのも無理はないのかもしれません。

以上が今回の調査結果なのですが、

私はもう少し休憩時間があった方がいいのではないかと思い続けています。

そちらの方が勉強もはかどるように思うからです。

したがって、あくまで日本の例を示すということを学校長に対して行ってみることにします。

こういう選択肢もある、ということを強いることなく示してみるだけ示してみます。

それが馴染まないだろうと判断されれば、

無理にこちらから職場の体質を変える必要はないのでしょう。

少なくとも私の赴任校の学校長はそれくらいの判断はできますし、

私の何倍もマラウイという国のことや教育というものを心得ていると思います。

自分が日本的に考えて正しいと思ったことを無理やり押し付ける、

これだけはやりたくないと考えていました。

今後も何か行動を起こす前には、

こういった地道な現状把握のための作業を行っていきたいと思います。

この記事のまとめ!

・マラウイの学校に休み時間はなく、時間割がタイトなのは当たり前のことである

・休み時間がある方が勉強ははかどると考えるため、学校長に示唆を試みる

          →迷わせない程度に学校運営の選択肢を増やすことに繋がればよい

(時間割を送ってくださった皆さま、ご協力ありがとうございました!)

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すごく嬉しいです

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