途上国生活の中で1番驚いたこと

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青年海外協力隊の宮崎充正です。

協力隊員としてアフリカのマラウイ共和国に派遣されてから半年が過ぎようとしています。

派遣開始から走馬灯のように流れ去っていったこれまでの期間、思い返せば様々なことがありました。時に喜び、時に苛立ち、感情豊かに過ごした時間であったと思っています。

その中で最も驚いたことを本記事では紹介したいと思います。

生活環境への適応力

この記事を書くにあたり、初めは『これまであった衝撃の出来事ランキング』をいったものをまとめるつもりでいました。しかし考えているうちに伝えたいメッセージが1つに定まり、記事のタイトルも『途上国生活の中で1番驚いたこと』と変化しました。

結論から述べると、私がこれまでマラウイで生活し1番驚いたのは人間に備わる生活環境の変化に対する適応力の高さです。

マラウイのスポンジ

当初は『これまであった衝撃の出来事ランキング』をまとめるための記事であったので、これまでのアフリカ生活の中で驚いた瞬間や苦労した出来事を思い返していました。

例えば任地(マラウイの田舎)の食器洗い用のスポンジです。

任地に赴任した頃、食器を洗うためのスポンジがなく手で直に食器を洗うことを余儀なくされていました。マーケットでスポンジを探したのですがどうしてもスポンジが見当たらず、最終的に現地の友人と共に探してもらうこととなりました。

そして探し始めて1分足らずで「そんなのここにあるじゃないか」と見つけてもらったものがこちらでした。

ヘチマの繊維を乾燥させたものでした。ヘチマは確かに置いてあるなと気付いていたのですが、まさかこれがスポンジであるとは思っていませんでした。どうやら私の住む地域では「スポンジ=ヘチマ」であり、これを適当なサイズに切って使っていきます。

最初は驚きましたが、使い始めてみればヘチマで食器を洗うことに何の問題もなく、むしろスポンジよりも使い勝手がいいのではとも感じるほどです。

驚きが日常になった瞬間でした。

生活の中の驚き

他にも生活する中で驚きはたくさんありました。

家の中によくいる、現地語でボンゴロロと呼ばれるムカデには最初こそ驚かされたものの、今ではサンダルのまま蹴とばして屋外へと追い出します。

ボンゴロロというムカデ だいたい10~15センチ程度の大きさ

配属先のセカンダリースクールでは、日本の田舎の学校で言うところの『たまに校庭に犬が入ってくる』感覚で牛がやってきます。そして何事もなかったかのように敷地内を通過していきます。これも今では完全に日常風景の一部です。

また前回の記事で述べたように、マラウイの生肉の販売はかなり簡易的です。

牛、豚等の肉はその辺りの屋外で切り分けて販売されており、周りはハエが何十匹も飛び交います。当初はすごく抵抗があったものの、今では毎週1kgは豚肉を買っています。

マラウイの精肉店 ハエが飛び交いながらも肉を切り分けて販売

鶏肉に至っては販売されていないため、自分で捌いてまでして食しています。これも日本にいたころは想像さえもしていませんでした。

鶏を捌いて感じたこと- 命をいただくということと飽食の時代

途上国の生活に慣れてきて、自分の持っていた普通というものが大きく変わっていくのが感じられます。

不便さの中にポジティブさを見出す

驚きだけではなく苦労もたくさんありました。

停電が頻繁に起きるため、バウラーと呼ばれる七輪のようなもので炭を用いて調理をすることを余儀なくされることもあります。もちろん調理に時間はかかりますが、最近は火起こしも上達し、電気を必要とするやり方よりも米がおいしく炊けるようになってきました。

断水も大きな困難でした。先月はついに一滴も水が出ずに水汲みに何度も行く必要がありましたが、水を汲みの順番待ちにおいて現地の人々とのコミュニケーションが増えたことはまさに棚から牡丹餅といった感があります。

水不足につきシャワーは赴任以降5か月間1度も使えたことがありませんでしたが、バケツから水浴びをすることに不自由はありません。もちろん私の任地はお湯が出るはずもなく、シャワーだと常温の水しか浴びることができませんが、バケツを日中日なたに置いておくことでお湯を浴びることができます。

天気が良ければ40℃近くまで水温が上がる

また我が家は屋根があってないようなもので、雨漏りがひどく最初はかなりストレスとなっていました。

※注 家の中です

 

しかし今では雨漏りの下にバケツを置き、煮沸して飲み水として使用しています。このことも「水汲みに行かなくていいからラッキー」程度にしか感じなくなりました。修繕費を経費申請して屋根を直すこともできますが、この程度だと大きな問題とは感じなくなりました。

適応力の素晴らしさ

初めはいちいち驚いていたこと、苦労していたこと、ストレスに感じていたことも、今では日常の一部となっています。これらは全て人の持つ環境への適応力の賜物です。そしてこれは私だけに起こっていることではないと思っています。現に他のマラウイの同期隊員も鶏を自ら捌き食しています。

また電気のある私からは想像しづらいですが、電気の通っていない家で冷蔵庫なしで生活する隊員もたくさんいます。慣れるまでに時間はかかったかもしれませんが、ある隊員は「冷蔵庫なしでも平気になった」と述べていました。冷蔵庫を日常的に使う私からすれば、この暑いマラウイの気候のもとでどうやって食材を保とうか…と苦心しそうですが、慣れてしまえばきっと大丈夫なのでしょう。

無電化地方に住む同期隊員はもともとたくましかったのですが、最近は肉の保存のため“燻製”という素晴らしいスキルを身に付け、更にたくましくなっていました。

慣れることの恐ろしさ

人間の慣れというものは素晴らしくも恐ろしいものです。

こうやってマラウイでの生活に適応していくことは大変喜ばしいことなのですが、それは同時に私の“日本人としての当たり前”が当たり前でなくなっているということを意味しています。

マラウイ赴任当初は「これはいけないことだ」「ここは改善すべきだ」と感じられていた出来事に遭遇としても、今では何とも思わないようになっていてもおかしくありません。

マラウイ人と共に楽しく過ごすだけならばそれでもいいのですが、私は今協力隊員としてマラウイで活動をしているのであり、JICAボランティアとして日本人と行動を共にすることもあれば、日本にいる友人と電話で近況を話す時もあります。

アフリカ生活での非日常を日常に変えていくことも必要ですが、対面する相手によっては私の今の行動はただの非常識でしかないこともあり得ます。

相手の背景を考えて非常識な言動、振る舞いをしないよう、今後心掛けていく必要があるのでしょう。そのことを自分に戒める意味でも、この記事をここに書き残したいと思います。

この記事のまとめ!

・半年間を振り返ると驚きや苦労が多々あったが、それらが今日常となっていることに1番驚いた

・アフリカ生活に慣れることも必要だが、その慣れにより非常識な人物だと思われる可能性がある

 →対面する相手にとって非常識なことは何かを考え、それを避ける心掛けが必要である

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